社長メッセージ

ご挨拶

株式会社平山 代表取締役社長 平山善一

「日経新聞の社長100人アンケート」で2024年春の賃上げ率の想定を尋ねたところ「5%台」との回答が最多で中長期で基本給を「増やす」とした回答は9割を超え、中小企業の価格転嫁は半数が受け入れるとの記事があります。
2023年の春闘では賃上げ率が3%を超え、30年振りの高い伸び率となりました。
しかし、日本と海外の賃金差は大きく、23年の専門職の平均年収は米国が16万2717ドル(約2300万円)で、シンガポールは12万6456ドル。日本は円安の影響もありますが、7万5317ドルに留まります。昇給率は欧米が4~5%なのに対し日本は約3%で海外との差は広がるばかりです。

製造業は、人材の採用を強化すべく他業界に先駆けて賃金アップすべきと考えます。
働く人を人件費のかかるコストと見るのではなく、価値を生み出す源泉と捉え、人的資本のコンセプトを変えてみてはどうでしょうか。
企業を取り巻く環境が激変したとしても、優秀な人材やモチベーションの高い社員がいれば、組織は誠実な行動や対応力が高まり、働く人の能力やスキル、仕事への向き合い方や心の状態(心理的資本)が、企業の成長の源泉になると考えます。
製造業では、ものづくりの可視化、自動化、バーチャル化、DX時代を前提としてアナログとデジタルの融合によるイノベーションの創出が鍵になり、デジタル人材とIT技術者の育成が急務となっています。私が人材ビジネスを始めた今から30年前は、この業界のビジネスモデルには未だゴールが見えていませんでした。顧客の需要に対して必要な期間だけ求職者を人材派遣や人材紹介する業務が中心で、人材の採用力・マッチング力が競争力、成長力でした。現在の人材ビジネス業界は、キャリアアップと職種転換の為の人材育成力が競争力と成長力になりました。熟練の技術者減少に対応するため、企業は未経験者に技術教育を行い、スキルを習得させる毎に新しい仕事を任せる。このサイクルを高速回転させるアジャイル教育にチャレンジすることが必要になります。学校での専門教育や、単一企業での教育だけでは足りない働き手のスキル再構築に、人材ビジネスのリスキリング(職業能力の再開発)が力を発揮しています。
働き手が職種転換に伴うスキルの変化に対応できれば、年齢に関係なく70歳まで働ける可能性が有ります。つまり転職の度に新しい専門スキル、資格を身につける働き方が出来ないかという事です。人材ビジネスのゴールは、無期雇用を前提に人材のスキルアップと業務の高度化・流動化を融合したビジネスモデルを構築する事だと考えます。働き方改革の目玉となる同一労働・同一賃金制度が施行され5年目になります。全産業にわたり、労働に対する対価が職種ごとに見直されることにより、納得性のある賃金制度を働き手は期待している筈です。我々業界も、職種別賃金の再定義や福利厚生の改善、キャリアアップ支援など、社員のニーズに応え、社員の希望と実態のギャップを埋めていく必要があります。
働き手のパーパスと組織のパーパスを結びつけ、自身のベストを引き出す為の方法を発掘させ、リスキリングに向かってもらいたいと考えます。また、新たな働き手として政府が進める外国人労働者34万人の受け入れは、その運用と共生する地域社会の実現に向け、官民挙げて準備しなければなりません。入り口は限定された職種の人材受け入れですが、ここで受け入れのインフラを整え、海外から高度専門家人材が集まってくるような魅力的な国にすることが目標だと考えます。
弊社は「設備と敷地を持たない製造業」「人材輩出企業」を標榜し、「人に付いた技術で日本のモノづくりを支援する」をコンセプトに人材育成に邁進してきました。
これからも、弊社は社員教育に一層経営資源を集中し技能社員やスタッフが胸を張って働いていける企業に成るべく精進していく所存であります。

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